古い家のリフォーム費用の相場は？メリット・デメリットや事例についても徹底解説！

古い家のリフォーム費用は、築年数や工事内容により大きく変動します。一方で、工事を進める中で想定外の劣化が判明し、予算を大幅に超えてしまうケースも少なくありません。事前に費用相場やリスクを把握しておくことで、計画的に理想の住まいづくりを進められるでしょう。

本記事では、築年数別・部分別の費用相場から、メリット・デメリット、活用できる補助金制度まで詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

 

【築年数別】古い家のリフォームにかかる費用相場

築年数	費用相場	主なリフォーム内容
築10年未満	〜300万円	・壁紙や床材の部分補修 ・水回り設備の部品交換
築10年〜20年未満	100〜500万円	・外壁、屋根工事 ・壁紙や床材張り替え
築20年〜30年未満	300〜1,000万円	・外壁、屋根工事 ・壁紙や床材張り替え ・水回り設備の交換
築30年〜40年未満	500〜2,000万円	・外壁、屋根工事 ・壁紙や床材張り替え ・水回り設備の交換 ・配管の更新 ・耐震改修
築40年〜50年未満	600〜3,000万円	・外壁、屋根工事 ・壁紙や床材張り替え ・水回り設備の交換 ・配管の更新 ・耐震改修 ・スケルトンリフォーム

築年数や劣化具合により必要な工事が異なるため、費用に多く差が生じます。築10年未満であれば部分的な改修で済むケースが多い一方、築50年を超えると耐震改修や配管の更新なども視野に入れる必要があります。

【部分別】古い家のリフォームにかかる費用相場

リフォーム箇所	工事内容	費用相場
キッチン	・キッチン交換 ・キッチン配置変更 ・壁紙や床材張り替え	50〜200万円程度
トイレ	・トイレ交換 ・壁紙や床材張り替え	15〜60万円程度
風呂	・ユニットバス入れ替え ・在来浴室改修	50〜150万円程度
リビング、居室	・間取り変更 ・壁紙や床材張り替え ・照明器具入れ替え ・窓リフォーム	15〜300万円以上
屋根	・葺き替え、カバー工法 ・塗装	50〜300万円程度
外壁	・塗装 ・カバー工法	50〜300万円程度
構造部	・耐震改修	20〜300万円程度

部位ごとによっても、費用は大きく異なります。たとえば、キッチンをリフォームする場合、単純な入れ替えだけなのか、配置変更も行うのかによって差があります。また、周辺の壁紙や床材も同時にリフォームするのであれば追加で費用が発生します。リフォーム箇所ごとの費用相場を参考に、全体予算を組む際の参考にしてください。

古い家をリフォームする際のポイント

古い家のリフォームを成功させるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。計画段階から施工会社選びまで、各ステップで適切な判断を行うことで、満足度の高い仕上がりを実現できるでしょう。

リフォームすべきタイミングを把握する

適切な時期にリフォームを行うことで、建物の寿命を大きく延ばせます。劣化が進んでからリフォームを行うと、修復範囲が広がり費用が増える可能性があるので注意しましょう。特に外壁や屋根などは、気づかないうちに雨漏りしている場合があります。発覚した段階では、広範囲に影響を及ぼしているケースもあります。そのため、定期的に点検を行い不具合などを見逃さないようにしましょう。

必要に応じて確定申告を行う

リフォーム工事には税制優遇が適用されるケースがあるため、確定申告を忘れずに行いましょう。たとえば、耐震改修やバリアフリー化、省エネ改修などを実施した場合、住宅ローン減税や投資型減税の対象となります。監督官庁窓口、適用条件や必要書類などが制度により異なるため、リフォームを行う前に調査しておきましょう。

耐震診断を事前に実施する

大規模なリフォームを行う前に、耐震診断を受けておくことをおすすめします。古い家は現行の耐震基準を満たしていないケースが多く、地震時の安全性を確保できない可能性も考えられます。特に1981年以前に建てられた住宅は旧耐震基準で設計されているため、現代の基準と比べて耐震性能が低い傾向にあります。診断を受けることで、どの部分を補強すべきか明確になり、効率的に予算を配分できるでしょう。

例えば、東京都北区では木造住宅を対象とした耐震診断助成制度が用意されており、旧耐震基準で建てられた2階建て以下の住宅であれば、専門資格を持つ建築士による耐震診断をほぼ自己負担なく受けることができます。診断は日本建築防災協会の基準に沿って実施され、建物の強さを「構造耐震指標（Iw）」として数値化するため、耐震性が不足している箇所が具体的に把握できます。

木造民間住宅・耐震診断事業｜東京都北区

診断の結果、耐震補強が必要と判断された場合でも、北区をはじめ多くの自治体では補強設計や耐震改修工事に対して助成制度が用意されています。北区の場合、補強設計では最大20万円、耐震改修工事では最大100万円（整備地域では120万円）が助成対象となり、高齢者世帯などは上限が150万円まで引き上げられるケースもあります。耐震壁の追加や柱・梁の補強、屋根の軽量化など、日常の暮らしを守るために必要な工事に対して費用の一部が支援されるため、補強が必要になった場合でも経済的な負担を抑えて対策を進められます。

このように、事前の耐震診断は「建物の状態を知るための調査」であると同時に、必要に応じて補強工事に助成が受けられる入口にもなります。リフォームの方針を決める前に診断を受けておくことで、安心して長く住み続けるための最適な計画を立てやすくなるでしょう。

耐震診断、補強に関する助成金はお住まいの自治体によって変わってくるため、お住まいの地域自治体にご相談いただくとスムーズです。申請と依頼（契約日）が前後すると、申請が通らない場合もありますので、ご注意ください。

優先順位を立てておく

リフォームの希望をすべて叶えようとすると予算オーバーになりがちなため、優先順位を明確にすることが重要です。原則としては、耐震改修工事や外壁・屋根まわりなど、住まいの基本性能に関わる部分を最優先に考えます。次に、水回りなど生活に直結する設備の更新を検討し、最後に内装の美観に関わるリフォームを行うという順番がおすすめです。

リフォーム会社に依頼する

信頼できるリフォーム会社を選ぶことが、満足度の高い仕上がりにつながります。会社によって、技術力や提案力、費用に差があるため、複数社比較することをおすすめします。

また、選定時には以下のポイントを重視します。

最低でも3社から見積もりを取り、これらの観点で比較検討を行いましょう。

リフォーム会社を比較する際には、見積もりを取得するための「現地調査」が欠かせません。図面や写真だけでは正確な工事範囲を把握できないため、実際の建物の状態を細かく確認したうえで見積もりが作成されます。現地調査は、建物の劣化状況や間取り、水まわりの配置、配管の状態などを確認する必要があるため、一般的に2時間〜半日ほど時間を要します。

また、現地調査をもとに工事内容を精査し、材料や設備の選定、必要な補強の検討などを行うため、見積もりの提示までには1週間～2週間程度〜かかるのが一般的です。大規模リフォームや耐震補強が含まれる場合は、さらに時間を要することもあります。そのため、リフォーム会社に依頼する前に、「現地調査にどれくらい時間がかかるのか」「見積もりが出るまでの目安はどのくらいか」を必ず確認しておくと、スケジュールの見通しが立てやすくなります。

一方で、Scanatのような3Dスキャン技術を活用している会社では、現地調査や見積作成が大幅に効率化されるケースもあります。建物全体を短時間で高精度に計測できるため、従来の手測り中心の調査よりも素早く数量が把握でき、図面化や見積の自動化が進んでいる会社では、通常より短期間で見積もりが提示されることも珍しくありません。

このように、調査方法や使用技術によって、見積もりのスピード・精度・負担は大きく変わります。複数社の調査方法や所要時間を比較しながら、自分のリフォーム計画に合った会社を選ぶことが大切です。

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古い家をリフォームするメリット

古い家をリフォームすることには、新築や建て替えにはない魅力的なメリットが数多くあります。費用面での優位性はもちろん、思い出の詰まった住まいを活かしながら快適性を向上させられる点が大きな魅力です。

新築購入や建て替えよりも費用を抑えやすい

リフォームは新築購入や建て替えと比べて、トータルコストを大幅に削減できます。新築購入や建て替えは、数千万円のコストがかかりますが、リフォームの場合は既存の基礎や柱、壁などを活用できるため、工事内容によっては数十万円〜数百万円に抑えることができます。ただし、大規模な耐震改修が必要だったりスケルトンリフォームを行ったりする場合は新築に近いコストがかかるケースもあります。リフォーム内容を整理した上で見積もりを行い、比較検討すると良いでしょう。

所得税・固定資産税・贈与税を節税できる リフォームでは、一定の条件を満たすことで「所得税」「固定資産税」「贈与税」の優遇措置を受けられる場合があります。それぞれの税金でどのようなメリットがあるか、要点を整理しました。

1. 所得税の控除（確定申告が必要）

リフォーム費用を支払った年の所得税から、一定額が控除されて戻ってくる制度です。主に以下の2つの制度があります。

2. 固定資産税の減額（自治体へ申告が必要）

耐震・バリアフリー・省エネ改修などを行い、工事完了後3ヶ月以内に市区町村へ申告することで、翌年度分の固定資産税が減額されます。

※減額期間は原則1年間です。また、リフォーム内容によって「税金が上がる」「変わらない」ケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

3. 贈与税の非課税措置

親や祖父母からリフォーム資金の援助を受ける場合、一定の要件を満たせば贈与税が非課税になる特例があります。

慣れ親しんだ家に継続して住める

長年住み慣れた家をそのまま活かせることは、リフォームならではの魅力といえるでしょう。リフォームは、家の雰囲気や思い出の詰まった空間を残しながら、快適性や機能性を向上させることができます。築年数と共にメンテナンスの必要性は高まりますが、劣化した部分を補修しつつ、最新の設備や断熱性能を取り入れることで、慣れ親しんだ家で長く暮らすことができるでしょう。

建物の機能性を向上させられる

リフォームを通じて、古い家の性能を現代の水準まで引き上げることができます。特に古い住宅は断熱性能が低く、冬は寒く夏は暑いという悩みを抱えがちです。リフォームにより壁や天井に断熱材を入れることで快適性を向上させることができるでしょう。最新の省エネ設備に交換すれば、光熱費の削減にもつながります。

また、二重窓リフォームも機能性を向上させることができます。既存の窓の内側もしくは外側に新たな窓を設置することで、断熱性能や気密性の向上、結露防止、紫外線カットなど様々なメリットがあります。多少高コストにはなりますが、後付樹脂内窓を活用する事で断熱性能が改善するため、合わせてご検討下さい。

ガラスの性能によって効果が変わるため、建物の状況に合わせたグレードのものを設置すると良いでしょう。

設備や内装を変えられる

リフォームでは、ライフスタイルや好みに合わせて自由に設備や内装をカスタマイズできます。たとえば、キッチンを対面式に変更したり、和室を洋室に変えたりと、間取りの変更も柔軟に対応できます。ライフスタイルの変化に応じて、最適な空間を実現できる自由度の高さこそが、リフォームのメリットといえるでしょう。

建て替えの手続きの負担を減らせる

リフォームは建て替えと比べて、行政手続きの負担を大幅に軽減できます。建て替えの場合は、建築確認申請や登記など多くの書類手続きが必要です。一方リフォームでは、規模により申請が必要な場合はありますが、大規模な工事でない限りこうした手続きの負担が少ない傾向にあります。そのため、書類作成などの手間や負担が軽減されることがメリットといえるでしょう。

建て替えが難しい立地の家でも対応できる

建築基準法では、建て替えが難しい立地でも、リフォームであれば住み続けることができます。たとえば、建ぺい率や容積率など、現在の基準では不適格となる建物も、構造部材を残したまま内部を改修することで、法律の範囲内で再生させることが可能です。建て替えの場合は現行法が適用されるため、今と同じ形を維持できないことがありますが、リフォームなら外観や骨組みを活かしつつ、間取りや設備を一新することができます。

古い家をリフォームするデメリット

リフォームには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。事前にリスクを把握しておくことで、適切な対策を講じたり、新築や建て替えとの比較検討もできるでしょう。

想定よりも高額になる可能性がある

リフォーム費用は、工事を進める中で当初の見積もりより膨らむケースがあります。その理由は、壁や床を剥がしてみないと分からない劣化や損傷が隠れている場合が多いからです。特に古い家では、壁や床の解体後に、腐食やシロアリ被害、配管の老朽化などが発覚することがあります。たとえば、キッチンの交換だけを予定していたのに、床下を確認したら土台が腐っており、広範囲の補修が必要になるケースも珍しくありません。そのため、見積もり段階で、追加になりそうな費用を概算で算出してもらうことで、ある程度の予算を見込んでおくようにしましょう。

地盤の改良工事ができない

リフォームでは建物本体の改修は可能ですが、建物の下にある地盤を工事することはできません。地盤が軟弱な土地や、地盤沈下のリスクがある場所では、建物がどれだけ頑丈でも根本的な解決にはならないケースもあります。地盤に不安がある場合は、事前に調査を依頼し、対策を検討する必要があります。

間取りの変更が難しい

古い家のリフォームでは、構造上の制約により間取り変更の自由度が限られます。原則として、柱や梁、耐力壁などの構造材は撤去できないため、希望通りのレイアウトが実現できない可能性もあります。ただし、補強を追加することで撤去できる場合もあるため、設計段階で構造の専門家に提案してもらうと良いでしょう。

リフォームで対応できる部分に限界がある

リフォームは間取り変更や設備更新など、幅広い工事に対応できますが、建物そのものの基本性能を根本的に変えることはできません。特に耐震性能は、古い基準で建てられた住宅では補強によってある程度向上することはできますが、構造自体の限界を超えることは難しい場合もあります。既存の骨組みや構造を前提として工事を行うため、老朽化が進んだ建物では、リフォームだけで十分な性能を確保できないケースもあるという点に注意しましょう。

一定期間仮住まいになる場合がある

大規模なリフォームでは、工事期間中に生活スペースを確保できない場合もあるため、仮住まいが必要になることがあります。特に、水回りの全面改修やスケルトンリフォームでは、電気・水道・ガスが長期間使えなかったり、居場所がなくなったりするケースもあり、住みながらの工事は現実的ではありません。そのため、工事費用だけでなく、仮住まいの家賃や引っ越し費用も含めて予算を立てておくことが重要です。

建築基準法改正2025年の影響を受ける

2025年（令和7年）4月に施行される建築基準法改正により、

4号特例の対象となる建築物が縮小、建築確認・検査の対象外となる建築物が縮小し、

省エネ基準の適合義務化されるなど様々な変化がありました。

これまでは申請が不要だったリフォームも、申請が必要になるなど調査費用、期間も発生することから、リフォーム検討時には時間がかかる点も考慮する必要があります。

古い家をリフォームした事例

実際のリフォーム事例を見ることで、具体的な工事内容や費用感などをイメージできます。ここでは当社における6つの事例を通じて、費用感や工事内容、施工期間などをご紹介します。

実例①：築35年の戸建てを部分リフォーム

築年数	35年
構造	木造2階建て
内容	・天井、壁紙、床の張り替え ・屋根、外壁塗装 ・キッチン、トイレの入れ替え
リフォーム費用	約500万円
施工期間	約１か月

築35年の木造戸建てをリフォームした事例です。キッチンの水漏れと、外壁押売営業が来た事をきっかけにリフォーム会社に相談し必要最低限のリフォームをしました。屋根にアスベストが含まれる素材が含まれていたため、張替えの上、外壁を塗装し、水漏れが発生していたシステムキッチンを取り換えました。

実例②：築35年の戸建てを全面リフォーム

築年数	35年
構造	木造2階建て
内容	・間取り変更 ・水回り設備更新 ・天井、壁紙、床の張り替え ・屋根、外壁塗装
リフォーム費用	約1,500万円
施工期間	約3か月

築35年の木造戸建てをリフォームした事例です。外壁や屋根の塗装など外観を一新し、内装についても全体的な間取り変更や、水回り設備の更新などを行いました。将来を見据えた設計により、長く住み続けられる住まいへと生まれ変わりました。

実例③：築30年の戸建てを劣化した部分のみリフォーム

築年数	30年
構造	軽量鉄骨造3階建て
内容	・天井、壁紙、床の張り替え ・キッチン、トイレの入れ替え ・和室を洋室に変更
リフォーム費用	約800万円
施工期間	約1か月

築30年で内装の劣化した部分のみをリフォームした事例です。全体の天井、壁、床を張り替え、水回りはキッチンとトイレのみ更新しました。一部和室を洋室に変更しましたが、大規模な間取り変更は行わなかったため、在宅のまま施工を行いました。必要最小限の工事に絞ったことで、コストを抑えながらも住まいの快適性を大きく向上させることができています。

実例④：築60年の戸建てを二世帯住宅化

築年数	60年
構造	木造2階建て
内容	・天井、壁紙、床の張り替え ・水回りの更新 ・一部間取り変更
リフォーム費用	約1,000万円
施工期間	約3か月

築60年の木造戸建てを、二世帯住宅にリフォームした事例です。天井、壁紙、床を全面的に張り替え、水回り設備も最新のものに更新しました。一部間取り変更により、それぞれの世帯に独立したプライベート空間を確保しつつ、家族が集まれる共有スペースも設けています。

実例⑤：築40年の戸建てを部分リフォーム

築年数	40年
構造	木造2階建て
内容	・天井、壁紙、床の張り替え ・一部間取り変更 ・窓リフォーム ・バリアフリーリフォーム
リフォーム費用	約300万円
施工期間	約1か月

お子様の独立を機に、これまで子供部屋として使用していた2階をリフォームした事例です。天井、壁紙、床を全面的に張り替え、一部間取り変更により夫婦の趣味スペースや書斎として活用できる空間に生まれ変わりました。窓リフォームで断熱性能も向上させ、快適性が大幅にアップしています。さらに、階段や廊下に手すりを設置するなどバリアフリー化も実施し、将来を見据えた安全で暮らしやすい住まいを実現しました。

実例⑥：築50年の平屋を全面リフォーム

築年数	50年
構造	木造1階建て
内容	・天井、壁紙、床の張り替え ・一部間取り変更 ・窓リフォーム ・水回り更新 ・耐震改修
リフォーム費用	約1,800万円
施工期間	約3か月

中古で購入した築50年の平屋を、昔ながらの趣を残しながら現代の快適性や安全性を備えた住まいにリフォームした事例です。天井、壁紙、床を全面的に張り替え、一部間取り変更により使い勝手を向上させました。窓リフォームや断熱改修により断熱性能を高め、水回りも最新設備に更新しています。また、構造補強による耐震改修を行い、安全性を向上させました。

古い家のリフォーム費用を抑えるコツ

リフォーム費用は工夫次第で大きく削減できます。品質を落とさずにコストを抑える方法を知っておくことで、予算内でより満足度の高いリフォームが実現できるでしょう。

既存の部材を活用する

使える部材をできるだけ残すことで、リフォーム費用を削減できます。既存の柱や梁などをそのまま使用したり、既存の水回り設備を補修やクリーニングで再使用したりと、様々な方法が挙げられます。すべてを一新するのではなく、最低限の補強や補修に留めることで、コストを抑えられ、かつ昔の風合いを残すことが可能です。

設備費を見直す

設備のグレードを見直すことで、コストの削減につながります。特に、ユニットバス、キッチンについては、最上位モデルと下位モデルでは価格差が大きいため、必要な機能を見極めた上で見直しを行いましょう。また、オプション機能を削減するだけで数十万円の節約が可能です。たとえばキッチンの場合、食洗機や浄水器の導入を見送るといった選択肢もあります。グレードやオプションの見直しを行うことで、数十万円から百万円以上のコスト削減も可能になります。

補助金制度を利用する

国や自治体が提供する補助金制度を活用すれば、実質的な負担を大きく軽減できます。特に、古い家のリフォームの場合、耐震改修や省エネ改修、バリアフリー化など、補助金の選択肢も多くなる傾向にあります。補助金の申請は、リフォーム会社と連携して行う必要があるため、見積もり段階で補助金対応の可否を必ず確認しておきましょう。

古い家のリフォームで活用できる補助金制度

補助金制度	対象工事	補助金額上限	申請期限 ※いずれも予算の上限に達し次第終了
子育てグリーン住宅支援事業	省エネ改修工事	60万円	2025年12月31日
先進的窓リノベ2025事業	窓・ドアの性能向上工事	200万円	2025年12月31日
給湯省エネ2025事業	給湯器工事	16万円	2025年12月31日
長期優良住宅化リフォーム推進事業	性能向上工事	210万円	2025年12月22日
既存住宅における断熱リフォーム支援事業	断熱工事	120万円	2025年12月12日
介護保険の住宅改修費補助	バリアフリー工事	18万円	随時
自治体のリフォーム関連補助制度	各自治体による	各自治体による	各自治体による

古い家のリフォームでは、様々な補助金制度を活用することで費用負担を大幅に軽減できます。ただし、適用条件が細かく定められており、たとえば子育てエコホーム支援事業では必須工事を満たした上で工事費が5万円以上という要件があるなど注意が必要です。また、対象工事が重複している場合、補助金の併用ができないケースもあるため、事前の確認が欠かせません。リフォーム会社によっては補助金制度に対応していない場合もありますので、見積依頼の際には補助金の提案も含めて相談することをおすすめします。

古い家の寿命はどのくらい？

住宅の寿命は構造によって異なります。建物が竣工してから取り壊されるまでの期間を調査した資料によると、

となっています。

ただし、これらはあくまで取り壊しまでの平均期間のため、これより短いサイクルで内装の修繕や水回り設備の更新などが必要です。反対に、適切なメンテナンスを施すことで、住宅の寿命を延ばすことも可能です。定期的な点検や必要に応じた修繕を行うことで、建物の劣化を防ぎ、長く快適に住み続けることができるため、計画的なリフォームが重要となります。

リフォームと建て替えの主な違い

リフォームと建て替えには、費用や工期、可能な修繕内容など様々な面で違いがあります。それぞれの特徴を理解した上で、状況に合わせた選択をすることが大切です。

項目	リフォーム	建て替え
費用	数万円〜3,000万円程度	3,000万円以上
工期	1日〜半年程度	数か月〜1年以上
メリット	・費用を抑えられる ・住み慣れた家を残せる ・基本的に手続き負担が比較的少ない（規模により建築確認が必要な場合あり） ・短工期（工事による）	・デザインや間取りを一新できる ・構造部分を含めて新しくなる
デメリット	・間取りの制約がある ・構造部分は変えられない ・原則として建て替え時のほうが実施しやすい ・状況により仮住まいが必要	・費用が高くなる ・仮住まいが必要 ・手続きが必要 ・工期が長い

リフォームは、部分補修であれば数万円程度、耐震改修やスケルトンリフォームを行った場合でも3,000万円以内で工事を行うことが可能です。構造部分や地盤部分を一新することはできないといったデメリットはありますが、価格を抑えて長く住み続けることができます。

一方で建て替えは、デザインや間取りなど一新できるためライフスタイルに合った住宅を作り直すことができます。費用に関しては、新築費用に加えて解体費用もかかるほか、仮住まいの家賃なども必要なため、リフォームと比較するとコストは高くなります。

それぞれメリットとデメリットがあるため、費用やお住まいの状況により総合的に判断すると良いでしょう。

古い家のリフォームに関するよくある質問

リフォームを検討する際によく寄せられる質問について、具体的にお答えします。計画を立てる際の参考にしてください。

1,000万円でリフォームできるとしたら何ができる?

1,000万円の予算があれば、住まいの大規模なリフォームが可能です。具体的には以下のような工事が実現できます。ポイント

すべてを行うと予算を超えてしまう可能性もありますが、これらを組み合わせることで、古い家でも新築同様の快適性と安全性を手に入れられるでしょう。

築40年でフルリフォームしたら何年住めますか?

築40年の家でも、適切なフルリフォームを行えば、さらに40〜60年以上快適に住み続けることが可能です。内装の刷新だけでなく、雨漏りから家を守る外壁や屋根などの外装面、そして安全性を左右する構造部分まで、総合的にメンテナンスすることが必要です。さらに断熱性能を向上させる工事などを加えることで、省エネ性が高まり、より快適な住環境を実現できます。定期的な点検とメンテナンスを続けることで、長く安心して暮らせる住まいになるでしょう。

リフォームと建て替えどっちがお得ですか?

価格面で比較すると、リフォームの方が費用を抑えられるケースが多いといえるでしょう。リフォームは解体費用や新築費用がかからず、劣化した部分をピンポイントで修繕できるため、コストを抑えながら住環境を改善できます。一方、デザインや間取りの自由度は建て替えの方が高く、長期的に住み続けることを考えるなら建て替えも有力な選択肢の一つになります。一概にどちらが良いということは言えませんが、家の状態や予算などによって総合的な判断が必要です。